ケンタッキーブルーグラスを育てる

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ケンタッキーブルーグラス(西洋芝)は寒地型芝生の中では最もポピュラーな種類で北海道・東北・高冷地などの冷涼な地域に適しています。地下ほふく茎により増える多年草で密度の高い美しい芝生を作ることができます。最近は耐暑性・耐病性品種が開発され、暖かい地域での利用も広がっています。

育成環境

日照時間

半日陰でも育てることは可能ですが、密集した美しい芝生を作るには日照時間が重要になります。一日中日光が当たるのが理想ですが、密集させるには少なくとも4時間以上は日光に当たる場所に植え付けてください。同じ日照時間でも夕日よりも朝日が多く当たる方が好ましいです。

水はけ

日本芝ほど排水にはこだわりませんが、いつまでも地中に水分が残っていると根腐れを起こしてしまいます。もし雨が降ってすぐに水溜まりができてしまう場所に植え付ける場合は勾配を利用したり雨水桝を設けたり水はけのよい土を運び込んだりするなどの対策が必要になります。芝を植え付けてからだと手間がかかりますので植え付け前にやれることはやっておきましょう。

育成温度

一般に育成適温は10~24度と言われ、夏に25度以上になると育成が停滞し、30度を越える日が何日も続くと夏枯れを起こすこともあります。高温多湿には弱いので関東以南では耐暑性や耐病性を高めた改良品種の利用をおすすめします。高温に比べ低温にはかなり強く5度以下では育成が停止しますがマイナス15度の日が続いても雪さえ被っていれば問題なく越冬します。

床土

水はけの改善

  1. 芝を植え付ける床土は20~30センチ必要です。
  2. まずは水はけを確認します。植え付けたい場所に直径50センチくらいの穴を掘って、深さ30センチくらいの段階でバケツ1杯の水を一気に流し入れて下さい。10分経ってもまったく水が減らない様ならかなり水はけが悪いので業者さんに土壌改良をお願いした方が良いかもしれません。念のため更に掘り進めてみて、水が染み込んでいく層があれば広さにもよりますが簡易的な浸透桝の様な物を作り水はけの改善も可能です。本格的な浸透桝・排水桝物・暗渠排水を作るには業者さんにお願いする方が確実です。簡易的な浸透桝の様な物
  3. 更に簡単な水はけ対策として勾配を利用することも考えられます。勾配を利用した水はけ対策

耕転作業

芝生用の床土を作るために芝を植えたい範囲を20~30センチの深さで耕し、レーキやふるいなどを利用して雑草や小石などを取り除きます。

土壌改良

業者さんに頼んで芝生用の客土と排土の処理も頼めるのであれば確実なのですがコストがかかるのでDIYが可能な範囲の説明をします。耕した土を利用する場合、土壌改良が必要になります。西洋芝は夏の暑さや乾燥には弱いので水はけを確保しつつも、ある程度の保水性、保肥性は確保します。

粘土質の場合:掘り出した土と同量の小粒の軽石や細かすぎない川砂、完熟牛糞堆肥60L/㎡、有機石灰100g/㎡、元肥(規定量)を良く混ぜ込みます。

水はけが良すぎる砂土の場合:完熟牛糞堆肥30L/㎡、元肥(規定量)を良く混ぜ込みます。

水はけが悪くない土の場合:完熟牛糞堆肥10L/㎡、元肥(規定量)を良く混ぜ込みます。

※ある程度の目安と考えてください。条件により資材や混ぜ込む割合は異なりますので試行錯誤が必要になるかもしれません。

整地

レーキやトンボを使って床土面を平らにならし、木の板などをつかって満遍なく踏み固めます。この時にきちんと平らにしていないと芝を植え付けてからでは修正するのに大変な労力が必要なのでしっかりと作業を行ってください。水はけの悪い土地では排水のことを考えて勾配をつけることも大切です。

芝の植え付け(張り芝)

張り芝

ケンタッキーブルーグラスの芝苗はホームセンターや通信販売で手に入れることができます。真夏や真冬を除けばいつでも可能ですが育成の適温期(10~24度)の直前くらい(北海道では4月~5月)が乾燥が少ないので芝が傷みにくいです。

張り方

張り方は目地張りと言って苗と苗の隙間を3センチくらい空けて交互にレンガの様に張る方法が一般的です。ホームセンターなどで販売している芝苗は縦長なので1/3くらいにカット(30センチ×60センチ程度)して使用すると芝苗を節約できます。芝苗を並べ終えたら芝が土と密着するように板などを使って踏み固めて土となじませます。直接芝を踏むと痛むので注意してください。

手抜きポイント

目地張りが一般的ですが張芝の間隔を1センチ程度もしくは隙間なく張る「ベタ張り」が立ち上がりも早くおすすめです。良質な目土を使う場合、若干コストを低くできます。

目土入れ

芝を張り終わったら隠れない程度に目土を入れていきます。手間はかかりますがふるいを使うと満遍なく綺麗に目土を入れることができます。張った芝に隙間があれば目土を盛ってからホウキなどを使って均等にならしていきます。

手抜きポイント

床土にはあまりこだわらずに元からある土を土壌改良して使用しましたが目土は「熱処理した良質なもの」をおすすめします。コストはかかりますが管理する手間がかなり違ってきます。

芝の種まき

芝の種

ケンタッキーブルーグラスは種からの栽培も可能で様々な品種が販売されています。狭い範囲に芝を育てるのにおすすめです。1年目は葉も細く頼りないですが2年目になると葉も広くなり3年目からはどんどん成長します。

種をまく時期

昼間20℃くらいまで気温が上がる季節が発芽も早くおすすめです。真夏でも30℃を超える日が続く地域でなければ問題なく種まきが可能です。しかし最高気温が15℃以下になると発芽に時間がかかります。

北海道の場合、昼間20℃くらいまで気温が上がる6月下旬から9月下旬が発芽も早くおすすめです。真夏でも30℃を超える日が続く地域でなければ問題なく種まきが可能です。暖かい地域では日中の気温が25℃以下になる秋にまくのがおすすめです。日中の最高気温が15℃以下になる季節にはおすすめしません。

土入れ

土壌改良した床土に直接まかずに整地後、市販の目土を1センチ以上の厚さで均等入れると失敗が少ないです。種まきをする範囲が広く土入れをした後に踏み込む必要がある場合は板などに乗って足跡が着かない様に注意してください。

種まき

種は細かく軽いので風のない日に満遍なく蒔きます。蒔き終わったらふるいを使って薄く目土をかけてます。水はジョウロやミストなどで種が流れ出さない様に注意しながらたっぷりと水をかけます。水やりは朝夕2回涼しい時間帯にあげてください。1週間ほどで発芽してきます。

発芽後

発芽後2~3週間たつと芝が伸びてくるので管理したい長さにカットします。最初のうちは根張りが浅いので良く切れるハサミなどで丁寧に切ってください。1年目は踏み付けや乾燥などにも弱いので注意して管理してください。


ケンタッキーブルーグラスは種からの栽培も可能で様々な品種が販売されています。

芝の種類
芝には比較的温暖な地域に適する暖地型と冷涼な地域に適する寒地型があります。
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